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相続が実際に発生したとき、どうするのか。

不幸にも身内が亡くなった時、相続手続きはどのように進められるのでしょうか?

遺族にしてみれば、大きな悲しみに襲われ手続きどころではないと思われるかもしれませんが、手続きの中には期限が定められているものがあります。

ここでは時間の流れに沿って、行うべき手続きについて説明します。

手続きの流れ

このような順序で相続手続きは進みます。専門的な手続きも多いですので、早めに相談することをお勧めします。

死亡診断書を作成し、死亡届を提出する。 

人が死亡したときには、死亡の事実を知った時から7日以内に死亡届を市区町村役場に提出しなければなりません。この際、添付書類と致しまして死亡診断書が必要となります。

入院中に死亡した場合は、病院が死亡診断書を作成します。また事故死の場合などには検死にあたった医師が死体検案書を作成します。

死亡診断書または、死体検案書を添付した、死亡届を故人の死亡地の市区町村役場に届けます。この届出がないと、火葬や埋葬許可が出ません。

遺言書の有無を確認する

手続きがかなり進んだ段階、例えば遺産の分割が終わった頃、亡くなった方の遺言書が出てくると、手続き全体がやり直しになってしまいます。そのため、遺言書の存在を十分調査する必要があります。

遺言書が見つかった場合は

遺言書が見つかった場合、勝手に開封してはいけないことになっています。公正証書遺言の場合を除いて、保管者は遺言書を家庭裁判所に提出し、裁判所に遺言の存在や内容を確認してもらわなければなりません。この手続きのことを検認といいます。これは、遺言の偽造、変造を防ぐために法律で定められた手続きであり、検認を行わず遺言を執行した場合は5年以下の科料に処せられます(民法1005条)。

手続きは、遺言書の検認審判申立書を亡くなった方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。手数料として600円かかります。

検認手続き完了後、遺言の内容に従い、亡くなった方の意思を実行していくことになります。

相続人を確定する

相続人になれるのは誰?(相続人の決定方法と法定相続の話)

相続が派生した場合、遺言で財産を継承する人を定めてある場合を除き、誰がその財産を継承するのかについては、法律で決められています。

まず、配偶者はいつでも相続人となります。例えば夫が亡くなった場合、妻は必ず夫の財産を相続します。

その他に誰が相続人になるかについては、法律で順位が決められています。

この順序に従って相続人が確定します。

1について

原則として相続財産の1/2を配偶者が、残りの1/2を子供が相続します。子供が複数いる場合は、子供の相続分1/2を分配します。ただし、相続分に関して、非摘出子は摘出子の1/2と決まっています。

また、配偶者がいない場合は、子供が遺産の全てを相続します。亡くなった方の親や兄弟がいても、子供がいる限り、財産の相続権はありません。

子供がすでに亡くなっている場合、相続欠格や廃除などの原因で相続権を失っている場合があります。その時は、子供の子、つまり孫が相続権を取得します。もし、孫も亡くなっていたら、曾孫が相続権を引き継ぎます。このように、親の相続権を子や孫が引き継ぐことを代襲相続といいます。

2について

亡くなった方に子供がいない場合は配偶者と亡くなった方の父母、父母もいない場合は祖父母が相続人になります。相続分は、配偶者が2/3、親が1/3の割合になります。

3について

亡くなった方に子供や親や祖父母もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。相続分は配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4となります。

最後に、相続人が一人もいない場合は遺言書等で財産の帰属先の指定がない場合は国に帰属することになります。

相続財産を調査し、財産目録を作成する。 

1.相続財産の調査

相続が発生した場合、まず相続する財産がどの位あるのかを正確に把握する作業が必要となります。そして、把握した財産を目録にしてリストアップします。

まずどの位財産があるのか調べないと、手続きが進められないからです。

また、単純承認、限定承認、相続放棄の判断基準になりますし、遺産分割の基本資料にもなります。したがって速やかに手続きを進めることになります。

被相続人の財産を一つ一つ調査していくわけですが、洗い出し作業は速やかに尚且つ慎重に行う必要があります。

財産の把握に漏れが生じた場合は、遺産分割のやり直しなどで大変な費用、時間的ロスが生ずるだけでなく、相続税の申告もれといった事態も生じるからです。

特に預金通帳、不動産の権利書、保険証券などは紛失することのないように、まとめて整理します。

2.財産目録の作成

被相続人の財産の洗い出しと同時に、財産目録を作成しますが、財産目録には、特に様式などは定めてありません。簡単に言えば、財産と債務を分けて記入していきます。

作業に当たっては、くれぐれも記入もれの無いように注意することが必要です。

黙っていたら借金も相続!(亡くなった方に借金のある場合の対策)

亡くなった方に借金がある場合はどうなるのでしょう。相続は、亡くなった方の財産権利を引き継ぐもので、何も手続きを取らないと借金も背負うことになります。

ただ、相続人だからといって亡くなった方の借金まで背負うのはあまりにも酷な話です。

そこで、民法では、相続を承認するか、放棄するかを選択できる制度を設けています。

この制度も選択の期間が設けてあり、原則的に相続を知った日から三ヶ月以内(熟考期間という)に選択しなければなりません。選択を行わない場合は、被相続人の権利義務全てを承継したものとされます。

選択の種類
単純承認 被相続人の権利義務全てを承継する。熟考期間内に相続しない場合は、単純相続とみなされる
限定承認 被相続人の財産を限度に債務を継承する。
手続き方法:熟考期間内に相続財産の目録を調整し、家庭裁判所に提出し、限定承認する旨の申述をする。但し、相続人が複数いる場合は、相続人全員で手続きを行わなければならない。
相続放棄 承継する一切の権利、義務を放棄する。
手続き方法:家庭裁判所に相続放棄の申述をする。放棄した相続人は、初めから相続人でないものとして取り扱われる。
相続放棄は限定商品と違い、放棄した相続人のみが単独で手続きを行うことが可能。

 

借金が明らかに財産より多い場合は、相続放棄の手続きをとることになります。

相続財産がプラスになるかマイナスになるか相続開始時に分からない時に効果的なのは、財産承認するをするの手続きを取るのが良いでしょう。

遺産分割協議を行う 遺産分割書の作成

遺言が無い場合は、相続人全員の間での話し合いによって遺産の配分を決めることになります。この話し合いのことを遺産分割協議といいます。遺産分割については、いつまでに行わなければならない、といった規定は特にはありません。ただし、遺産分割協議を行わないと、争いの原因になりますし、税法上の不利益をこうむることもありますので、相続財産の調査と相続人が確定したら、速やかに行うべきです。

遺産の配分については、民法には法定相続の定めがありますが、必ずしも守らなければならないものではなく、相続人間の自由な協議により決めることができます。

特に遺産が多い場合は、相続人それぞれの思惑や利害がからむため、皆が納得するように協議をまとめるのは、大変なことです。それぞれの利益ばかりを主張せず、相続財産全体としてもっとも有効な分配をするように努めるのがよいでしょう。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議がまとまったら、その内容を書面化します。この書面を遺産分割協議書といいます。

この書面は、後日相続人間のトラブルを未然に防ぐという役割の他、不動産の名義変更(相続登記)の添付書類になどにも必要となります。

書面の様式については、特に決まった形はありません。用紙は自由です。ワープロ、手書きを問いません。

作成したら、相続人全員が署名、押印します。この場合の押印は、実印を使用し、印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議がまとまらないときは

残念ながら、相続人の利害が対立し遺産分割協議がまとまらないときもあります。その場合もそのままにしておくわけにはいきません。相続税の申告・納付期限(相続を開始してから10ヶ月以内)に間に合わなくなるなどの不都合も生じます。

この場合は、家庭裁判所に遺産の分割を申し立てることができます。家庭裁判所が行う手続きとして、調停審判があります。

遺産の分配、名義変更を行う

財産の名義変更 1

不動産の名義変更

遺産分割協議や遺言により、不動産を取得することが決まった場合は、第三者への対抗要件を取得するために登記を行います。この登記は、相続を原因とする移転登記になり、相続登記とよばれます。

いつまでに登記するのかという期限は、税金などと違い(相続税は10ヶ月以内に申告・納付する)、特にありません。

また、登記は第三者へ自分が所有者であることを主張できるようにする事が目的であるので、登記しなくても所有権自体はすでに取得しているので、必ずしも行わなくてはならないものではありません。

しかし、現実には相続が発生し、不動産の名義が変わるとほとんどの場合登記をします。もし登記をせず放置しておくと、次の相続があったときに、権利関係、手続き等が複雑になります。

また、誰かが勝手に、自分のものとして登記してしまう等、無用のトラブルに巻き込まれる可能性があります。

後の無用のトラブルを回避するという目的からも、相続登記は一つの節目として行いましょう。

相続登記の方法

登記は、その不動産の所在する地域を管轄する法務局に必要書類をそろえ、申請します。申請後、特に問題が無ければ2週間程度(法務局により、多少の期間の違いあり)で登記は完了し、登記済証が交付されます。

登記済証は、一般的には権利証とよばれるもので、その不動産の所有者であることを示す書類になりますので、大切に保管します。

なお登記するためには、不動産固定資産税評価格額の1000分の6の登録免許税がかかります。(軽減措置あり)

財産の名義変更 2

預貯金の名義変更

預貯金を相続により取得した場合は、名義変更の手続きを取ります。預貯金は名義変更しなくても、暗証番号さえわかればキャッシュカードで現金は引き出せますが、後日トラブルが発生することがあるので、速やかに名義変更を行いましょう。

手続きのやり方は、各金融機関では、通常、相続に関わる依頼書(所定の用紙)に、戸籍謄本、遺産分割協議書の写し(相続の場合)、 遺言書(遺言の場合)をそろえて提出します。

株式の名義変更

株式を相続、遺言などによって取得した場合は、株式名義書換請求書に、戸籍謄本、遺産分割協議書の写し(相続の場合)遺言書(遺言の場合)等をそろえて、会社に提出します。

財産の名義変更 3

その他の財産、権利の名義変更

相続や遺言がきっかけで取得する財産は、預貯金、株式、不動産以外にもいろいろあります。その中には、名義変更を必要とするものがあります。 (ちなみに、通常の動産は特に名義変更の手続きはありません。)

以下、代表的なものについて、名義変更の手続きを記載します。

生命保険契約

生命保険は、被保険者が亡くなった場合は、死亡保険金の請求手続きを行います。
その他、亡くなった方が契約していた生命保険契約などについて、権利を引き継ぐ際にも名義変更を行わなければなりません。

ゴルフ会員権

ゴルフ会員権を取得した場合も、名義変更の手続きをとります。

自動車

自動車の名義変更は、亡くなった方の住所を管轄する陸運支局に移転登録申請を行います。

特許権・実用新案権

特許権、実用新案権を引き継いだ場合、特許庁に移転登録申請を行います。

 

その他、著作権、電話加入権、売掛金、などがあります。

このように何かと大変な相続ですが、順番に手続きを踏んで行えば家族間の骨肉の争いなど無用のトラブルを起こす事もなく、費用も必要最低限で収まります。

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