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ここでは、一般乗用旅客自動車運送事業許可（患者等輸送限定）を取得して、介護タクシー事業をスタートする場合の許可についての区分、流れについてまとめてみました。

介護タクシー許可申請の区分

まず一言で介護タクシー許可といっても、細かく分けるといくつかの種類がありますし、事業の展開についても許可の種類が変わってきます。

ケース１、介護タクシー事業単独でも営業を行う場合

一般乗用旅客自動車運送事業（患者等輸送事業）の許可　　法第４条許可

一般に「介護タクシー」「福祉タクシー」と呼ばれているものです。

患者等輸送限定限定事業の許可のため、一般の旅客運送事業（法人タクシー）に比べて、いくつかの要件が緩和されています。たとえば、営業区域が都道府県単位となり、標準処理期間が2ヶ月と（通常は５ヶ月）と短くなっております　

介護福祉士・訪問介護員などの資格者が乗務する場合は、セダン型の一般車両を使用出来ます。

運転者については普通二種免許が必要となり、自動車は緑ナンバーとなります。

 

ケース２ 訪問介護に附帯した輸送のみを行い、タクシー単独での営業は行わない場合

特定旅客自動車運送事業の許可　　法第４３条許可

指定訪問介護事業者などが、要介護者を対象に医療施設等との間の送迎輸送を行うものです。

（1）の一般乗用旅客自動車運送事業（患者等輸送事業）との大きな違いは、介護タクシー事業を単独では行わず、訪問介護の利用者が病院に行くといったように、介護サービスに付随した形で行うようなケースです。

介護タクシー事業を単独で行うわけではないため、利用者の通院等（１）の一般旅客自動車運送事業（患者等輸送事業）に比べ、資産要件、役員の法令試験などが免除されます。

運転者については普通二種免許が必要となり、自動車は緑ナンバーとなります。介護事業をメインでお考えの場合には、この許可で十分です。

 

ケース３ ヘルパーが自家用車を使って、輸送を行う場合

自家用自動車有償運送の許可（旅客自動車運送事業者・介護事業者）

上の（１）又は（２）の許可を取得した場合、その訪問介護員等の自家用車（白ナンバー）を使用して有償運送を行う為の許可（道路運送法第８０条第１項による許可）申請が行えます。

この場合の訪問介護員等は普通二種免許が必要でなく、普通一種免許でＯＫとなります。許可の期限は２年間となります。

 

ケース4　ＮＰＯ法人の場合の特別な許可を取得して移送サービスを行う場合

福祉有償運送の許可

NPO法人や医療法人などの非営利法人は、もちろん通常のタクシー許可などの取得も可能ですが、それらの許可を取得しなくても、福祉有償運送という道路運送法第８０条の許可を受けることで、移送サービスを行うことができます。

ちなみに株式会社や有限会社などの営利法人は、福祉有償運送の許可申請はできません。

福祉有償運送の許可については、以下のとおりです。〔自家用自動車有償運送の許可（道路運送法第８０条第１項による許可）〕

ＮＰＯ法人が自家用自動車有償運送の許可を取得するときの流れ

自治体などで現在の交通機関では移動制約者などに 十分なサービスが提供されていないと判断

自治体などが運営協議会を設置

NPO 法人が移送サービス事業の開始を運営協議会に相談

運営協議会で移送サービスの運営について協議（設立の趣旨、対象会員の構成が移動困難者であること、会の運営に関する説明等）

運輸支局へ許可の申請

運輸局へ許可運営開始

 

ただし、NPO法人は設立自体に時間がかかるので、その時間も考慮する必要があります。

許可が下りるまでの流れ

ここでは、介護タクシー事業を開始するのに一般的な許可〔一般乗用旅客自動車運送事業許可（患者等輸送限定）〕を取得して、介護タクシー事業をスタートする場合の許可の流れについてまとめてみました。

(1) 申請準備(申請条件の確認)

(2) 一般乗用旅客自動車運送事業許可申請（患者等輸送限定）

(3) 許可申請の補正

2ヶ月

(4) 許可の取得

(5) 運賃認可申請

1ヶ月

(6) 運賃認可取得、事業用ナンバー取得等

(7) 運輸開始の届出

 

• 運送事業としての流れは関東地方（関東運輸局　所轄地域）の場合です。
  
  限定の一般乗用旅客自動車運送事業の許可を得るのには約２ヶ月かかります。
  タクシー許可は取得より６ヶ月以内に運輸開始しなければ失効しますのでご注意下さい。
  
  さらに申請のための書類を揃える時間があることをお忘れなく。最低でも1ヶ月はみておきましょう。（最短は２週間）
  
  
• 既に乗降介助を介護事業として行っている事業所の方は要注意！！
  
  介護保険や支援費制度における「通院等乗降介助」の報酬算定については、平成１８年春までに道路運送法の許可を得なければそれ以降の報酬算定が認められません。
  
  従来から行なっていた事業所でも経過措置後は許可申請しなければならないでしょう。
  当然、これから訪問介護事業等の通院等乗降介助を行なう場合は、事業所指定申請前に事前に陸運局の許可が必要になります。

 

以上許可についての概要、流れ、ポイントなどをまとめてみましたが許可取得以外にも、介護タクシー事業をスタートするまでには、準備することがたくさんありますので、計画的に進めることになります。

 

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